食べたもので僕の身体も心も出来ている

食べたもの呑んだもの記録

上村松園 展@国立近代美術館 (2010.09.25)

凛とした芯の強さ、気品ある佇まい、そして全てを包み込むような慈愛

強さと優しさを併せ持つ、理想の女性像の1つと言えるだろう。

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「春宵」 近い二人の表情の妙に艶っぽい

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「花がたみ」 静かだが震え上がるような狂気

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「焔」 怨念ともいえる嫉妬の凄まじさ

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松園は、いろいろな女性を描いているが、いずれの作品を観ても、何か心が浄化されたような、清々しい気持ちになる。

無知で恥ずかしい限りだが、松園が女性だと知ったのは鑑賞後
それで合点がいった。
男性にこのような絵はかけない。

松園の作品は、男に媚びていない。

著書「青眉抄」において、彼女はこう語っている。
「私は大てい女性の絵ばかりを描いている。
しかし、女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。
・・・・・(略)・・・・・
真・善・美の極致に達した本格的な美人画を描きたい。
私の美人画は、単にきれいな女の人を写実的に描くのではなく、写実は写実で重んじながらも、女性の美に対する理想やあこがれを描き出したいーという気持から、それを描いて来たのである。・・・」

こうした女性像は、多くの日本人男性の理想でもあろう。

今では、日本髪を結い、着物を着た女性達を見かけることは稀だ。
しかし古めかしさを全く感じない。
何故か?
松園の作品を観て、単なる表面・見た目の美しさではなく、画面の中にいる彼女達の気持ち、心を強く感じるからだ。
そしてそれは、時代を超えて共通する感情である。

ただ風俗を描くのでなく、
ただ綺麗な女性を描くのでもなく、
時代を超えて共通する理想像
これを描ききったことに松園の価値がある、そう思う。

上村松園 展」@竹橋 国立近代美術館
http://shoen.exhn.jp/index.html

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