食べたもので僕の身体も心も出来ている

食べたもの呑んだもの記録

兵六@神保町(2011.10.27)

「5m四方の小宇宙」

会社帰り、駿河台交差点そばの三省堂書店
本屋は時間泥棒、行くとあっという間に1時間や2時間は過ぎてしまう。

さぁて、どうするか?
さぼうるかラドリオでコーヒーでも飲むか?ミロンガでビールでも飲むか?
三省堂の裏口を出る。

ここがあったか・・・。

この店の前は何度となく通っていたが、まだこの店に入るには若輩だという意識があり、今まで一度も入ったことがなかった。

「兵六」
http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13018780/

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店内はカウンターとテーブルが2つ
コの字のカウンターはとても小さく、真四角のカウンターから店主の座る場所だけくり抜いた感じ
料理はカウンターの裏側(※コの字の左側)で女性が調理
そして座席は2本の長い丸太を通しただけのもの

僕はカウンターの店主を正面にみる場所(※コの字の右側の真ん中)に座る。
「何にしましょうか?」
この店主、同年代だろうか?若く見える。
人当たりが柔らかいが、背筋がぴんとしている、かといって武道経験者という感じでもない。
この店の雰囲気がそうさせているのだろうか?

清酒ください、ぬる燗で」

お通しは,劼犬納豆
本当に少量だが、これをチビチビつまみながら酒を呑む。

常連客の話に耳を傾けつつ、飲みながら壁を見渡す。

「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」

林芙美子高村光太郎等の書が飾られている。
写真の男性は誰だろう?格好いい、白洲次郎のような雰囲気
訊くと写真の男性はこの店の初代
今カウンターにいる店主は三代目だそうだ。

「四戒 他座献酬、大声歌唱、座外問答、乱酔暴論」

なるほどねぇ
そういえば皆、楽しそうに呑んでるけど騒いでる客はいないなぁ。

肴どうしようかなぁ。
周りを見渡す、どれも量が少ない。
酒を呑ませる店なんだねぇ

「むぎ焼酎と酒盗をください」

酒盗ってこれだよね
高血圧の人は絶対に口にしてはいけない、それが酒盗である。
塩加減抑えてねぇか?って酒盗が最近多いが、ここの酒盗は抑えてない、辛い。
チョビッと量だがこれで充分酒がすすむ。

焼酎は12角形のヤツに注がれる
この12角形、宇ち多のよりデカイ、本郷のじんちゃんのよりも多分デカイ。
んなわけで、結構酔える。

居心地良い、もっと早く伺えば良かった。
いや、若い頃だとこの店の良さに気付かなかったかも、ちょうど今で良かったんだなぁ。

【兵六憲法

一、居酒屋兵六に於ては店の女がお客にお酌する事を厳禁す

一、葷酒山門に入るを許さずとは反対に、居酒屋兵六の山門内ではアルコール抜きの飲物は一切売るを許さず

一、宣伝広告は必要止むを得ざるもの以外厳に慎む様心掛る事

一、兵六店内の大掃除は遠慮す可き事

一、清酒は地酒の二級酒に限り特級や一級酒は絶対置かぬ事

一、洋酒、泡盛等は御遠慮申上る事

一、日本の代表的な酒である蒸溜酒の焼酎を皆に再評価して頂く様大いに宣伝する事

一、居酒屋兵六は半分は店主のものであるが半分は社会のものと心得置く事

(「兵六亭 兵六憲法閑話」 平山一郎)