食べたもので僕の身体も心も出来ている

食べたもの呑んだもの記録

登茂恵@虎ノ門 (2010.09.27)

僕はロックというものを知らない。
その精神も、社会的意味合いも知らないし、そもそも音楽として興味も関心も無い。
でも浜省や佐野元春は好きだ。
中学生のころから聴いていた。

「あんなもんはロックじゃない」と知り合いは言う。

別にロックだから聴いているわけでなく、好きだから聴いているだけなので、そう言われてもどうということは無い。「へぇ、そうなんだぁ」

ここからしばらく、「ロックというものは・・・」彼の講義がしばらく続き、最終的に「結局さぁ、ボブ・ディランが最高ってことになるんだよ」

心の中でややのけ反りつつ「へぇ、凄いねぇ」

そして「最近のロックは全然ダメだよ」

こんな漫画みたいな人が本当にいることに驚き、堂々と・恥ずかしげもなく・熱く語るその姿に軽く感動すらした。

話が逸れた。
そんな漫画みたいな彼が、ちょっと前にエジプトへ旅行、どうもピラミッドにいたく感動したらしい。
興奮がまだ抜けないらしく、先日の飲み会で熱く語る。

「ピラミッド、最高なんだよ、渋くてさぁ、味わい深いっていうかさぁ」

何か面白いこと言い始めた・・・

「ああいう感覚って、昔も今も共通なんだなぁ、侘び寂び的な」

あらら・・・

「時間も場所も人種も関係無く共通する感覚ってのかなぁ、ちょっとそのことに感動したっていうか」

・・・黙っていようかとも思ったが、どうなるかと思って言ってみた。
「ピラミッドって、作られた時は豪華絢爛、真っ金金だったらしいよ」

どうなったか?
彼は素っ頓狂な声を上げて言った。
「マジ!?あのデカさで真っ金金!?そりゃ凄い!」

彼はついさっき自分が言ったことも忘れ、金キラのピラミッドに圧倒され、感動しているようだった。
私もちょっと感動した、漫画みたい・・・。

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話がだいぶ逸れた。

先日、先輩(漫画な人じゃありません)と虎ノ門に呑みに行った。
もともと大学院時代の恩師が教えてくれた店
その後、先輩を連れてきて、ワイン→日本酒に転向させた店
ちなみにこの先輩は、いろいろと造詣の深い人

「登茂恵」@虎ノ門
https://s.tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13014708/

この店はいつからやっているのか?
60歳半ばの恩師が、20代の頃から世話になっているというから、
少なくとも40年近くはこの場所で営業しているのだろう。
この間、数えきれないほどの人間がこの場所で、喜び、怒り、哀しみ、楽しい酒を呑んできたのだ。
その歴史のほんのひとコマに、僕らも参加している。
悠久の時間に想いを馳せる。(大袈裟だ)
ママさんも昔は若かったんだ。

ローマは一日にして成らず

しかし先輩は、多少の時間なら時間を超越することが出来る、超能力の持ち主なのだ。

彼の墓碑銘は(まだピンピンしているが)

「50代の女性の中に15歳の少女を見出せた男」

ママさんに15歳の少女を見出したか否か、訊いたが酔ってて忘れてしまった。
どうでしたっけ?

2016.09追伸 此処も閉店してしまった(泣)

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